涙が枯れるほど・・・


よく聞くけど、経験したことはなかった。




私の涙のタンクは相当大きいらしい。


泣いても

泣いても


涙はどんどん製造される。



泣き疲れて眠った私は夢を見た。




隆介と手を繋ぎ、どこかを歩いてた。


目が覚めた時、もう一度夢の中に入りたくて

何度も目を閉じた。



戻りたい。


夢でもいいから、隆介と一緒にいたかった。




今までの私のドキドキやキュンキュンが

全部勝手な思い込みだったのかと思うとちょっぴり悔しいけど、

決して、無駄だったとは思えない。



初めてだったから。


誰かを想って胸が苦しくなったり、

思い出して眠れなくなったり・・・



緊張で手が震えたり…


たった一度のキスを頭の中で100回くらい思い出したり・・・




無駄になんてしたくない。


私の恋、やっぱりとても素敵な恋だったから。





騙されてもいいとさえ思った相手。

騙された訳じゃない。


ただ、勝手に私が期待して・・・

どんどん好きになっただけ。



あいつは、思わせぶりな言葉もくれたけど

決定的な言葉は一度も言ってない。



女を騙すようなヤツじゃない。

そんな器用なヤツじゃない。



鈴子が好きだから、私と付き合えなかっただけ。

鈴子が心の中にいるから、私に手を出さなかっただけ。


全てが理解できた。



隆介の不思議な行動の全ては、鈴子が好きだったから・・・なんだね。