先輩はいつも 夕方になると中庭のベンチに寝そべっている。 きれいな空を仰ぐみたいに。 アタシはいつも、そこに駆け寄るのがすき。 「せんぱい。お腹みえてるよ?」 「あ?またお前か。ヒマな奴。」 先輩は、アタシを見ると めくれたシャツをなおしながら体を起こして ベンチに座った。 あたしはその隣に座る。 先輩からは、嗅いだことのない香水のニオイがする。