その日は、バスがすごく混んでいた。 混んでいるバスはダイキライ。 乗り込み口から、もう人が溢れそうで しかも男ばっかりで どうしよう。 その時だった。 大きな手が伸びてきて、人を掻き分けて 通り道を作ってくれた。 同じ制服の、黒髪の男の人。 「早く乗りな。」 まるで、王子様みたいだった。