「アイミ!なにしてんだ?」



秀二先輩が、やっと私に気がついてくれた。



さっきの人は、逃げるようにいなくなった。



「秀二先輩…あのね…」




その時、私の目に秀二先輩が持っていた本のタイトルが飛び込んできた。



「あ…」



あたしが指を指そうとすると、秀二先輩は慌てて本を後ろに隠した。



先輩の顔は真っ赤で、初めて見る表情だった。