「ねぇ、アイミ。あそこに虹があるよ。」 下ばかり見つめていた顔を上げると、一面の曇り空が見えた。 「うーそ。アイミはすぐ騙されるんだから。」 ユイカちゃんは、そう言って笑った。 「やっと顔、上げたね。」 「…ごめんね。ユイカちゃん。」 「ねぇ。アイミ。怖いのはみんな同じだよ?」 「…うん。」 「みんな明日のことなんて分からないし、人なんて信用できないと思う。」 「…うん。」