「亜美~!拓海~!ごめ~んっ!」


遠くから大声でやってくるお姉ちゃん。恥ずかしいってばぁ・・・。



みんなが私達の方へ向かってくると、先生は


「じゃあ、これから拓海さんね。」と言った。


「はい。」



近くにて、遠い存在の先生。


学校では絶対呼べない「拓海さん」って言葉。


やばいな・・・。今日で本当に先生の事が好きになった気がする。



先生は私を立たせる為に、そっと手を差し伸べてくれた。


どうしよう。このドキドキ・・・納まらないよ。


もう、一生握らないと思うこの大きな手。


思い出にもう少しだけ握らせて下さい。