それから、先生はずっと私の側にいてくれた。


「先生ごめんね。」


「もうその言葉聞き飽きた。」


先生は私に笑ってそう言ってくれた。


「なぁ?みんなが戻ってきたら先生って言わない約束な。」


「えっ?」



「何言われるか分かんないし・・・。やっぱり先生と生徒だといけない気がする。」


「う、うん・・・。」


ちょっと悲しかった。


いや、先生と呼ばないって事ではなくて、先生と生徒だといけないって・・・思いっきり私の事を否定された気分になった。



「ねぇ、先生?」


「ん・・・?」


「前にさ、電車の中で始めて見かけた時、もう私の事だって分かってたの?」


「あぁ、分かってたよ。」


「じゃあ、あの時先生は、私をずっと見てたの?」


「あぁ、ずっと見てたよ。」


私はその言葉だけで十分だった。