そして、今日、お姉ちゃんの結婚式がやってきた。


お姉ちゃんの選んだ式場は、海の見える教会だった。


丘の上にあって、芝生の緑色にひときわ目立つ白いチャペル。


海と空の青がとても綺麗で、まるでここだけ別世界にいるようだった。



お姉ちゃんは控え室にいた。


「お姉ちゃん緊張してる?」


「そりゃあ、少しはね。」


「私も緊張してきたよ。」


「ばかねぇ、あんたが緊張することなんかないでしょ?あんたには拓海がいるから大丈夫よ!」


そう、今日の式には先生ももちろん出席してくれるのだ。


「亜美も早くこうなるといいわね。」


「うん・・・。お姉ちゃん・・・。」


私はお姉ちゃんのドレスにしがみついた。


「あらあら、こんな所で泣くとせっかくのお化粧が台無しよ?」