「開けてもいい?」


「どうぞ」


ピンク色のリボンがついた箱を開ける。


「わーかわいい」


中から出て来たのは、かわいいミュール。


「これから夏でしょ?いいかなって思って」


「ありがと。おじいちゃん、おばあちゃん」


「それ履いて、愛人君とデートでも行ってきたら?」


「おばあちゃん!」


「ねえ、愛人君」


おばあちゃんが、愛人に話を振る。


「そうですね。どこか出かけたいですね」


そんなこと言われて私はかなり慌ててるのに、愛人は顔色ひとつ変えないでそう言った。


いや、完璧スマイルを顔につけて。


愛人がふと私の方を見る。