「これ、全部ママが作ったの?」


テーブルの上には、たくさんのご馳走。


グラタンに唐揚げ、サラダにピザとかいろんなものがあった。


「三井さんと二人でね。あとでお礼言っときなさいね」


「はい」


三井さんって、家でお料理作ってくれるシェフ。


とっても優しい人。


ママは仕事が忙しくて普段はあまり料理をしないんだけどね、こういうときとか学校のお弁当のときとかは、どんなに忙しくても作ってくれるの。


「いただきます」


最初に唐揚げに手を伸ばす。


「あっ、龍守のバカ」


「早いもの勝ちだけど?」


一番大きいのを取られてしまった。


普段クールに決めてる龍守だけど、こーゆーところはやっぱ子供。


「愛人君も、どんどん食べてね」