「あれ?パパは?」


「パパね、まだお仕事時間かかるんだって。終わりまでに必ず戻るから、先に始めててって」


「そっか」


ママが説明してくれた。


パパ、居ないのか。


パパが居なくて残念って、贅沢なこと言っちゃいけないね。


だって、机の上にはご馳走。


部屋は、きれいに飾りつけられてる。


「美結、そんな顔しないで。パパは絶対戻ってくるから」


「うん」


ママに笑顔を向ける。


「美結はここ座って。愛人君は、美結の隣ね」


「はい。ありがとうございます」


大人向けの作ったような笑顔をつけて、ママにお礼をいう愛人。


「さあ、たくさん食べてね」