「ねぇ、マー君。誕生日の意味、知ってる?」


「誕生日の意味?」


愛人がまた、私の方を向いた。


「誕生日ってね、誕生日の人が産まれてきてくれたことに感謝される日。それとね・・・」


「それと?」


「誕生日の人が、産んでくれたことに感謝する日なんだよ」


そう言ったら、愛人の目が大きく開いた。


「あんた、変なこと考えるね」


「変かな?小学校のときの先生にそう言われて、あーそうなんだって思ったの」


「ふ~ん」


「マー君は、そう思ったことない?」


「ない。誕生日なんて、勝手に来て勝手に過ぎてくもんだろ」


「じゃあ、今度からそう思って。そしたら、きっと誕生日好きになるよ」


「やっぱりあんた、変わってる」


「そうかな?」