ママがパパに向かってニッコリ笑う。


「なんか、幸せそうだな」


「うん。パパとママが幸せそうだと、私も嬉しい」


「俺も」


幸せって、ほんの些細なことだと思う。


大切な人が笑ってるとか、ギュッと手を握ってくれるとか、ほんとにそんなこと。


「お待たせ」


愛人と話しながら立っていると、パパとママが私たちのところに戻ってきた。


「あれ?荷物は?」


「龍矢がね、日本に送っちゃったの。そんなことまでしなくても大丈夫なのに」


「あ?荷物増えるんだからいいだろ」


「そうだけど」


確かに、これからまだツリーとか見るから荷物は邪魔だよね。


「だからいいんだよ」


「うん」