だからきっと、手術は成功するよ。


「一緒に頑張ろう、マー君」


「ああ」


それから、バレンタインの少し前、愛人がアメリカに発つ日が決まった。


「美結、少し歩こう」


「でも、マー君明日行くのに」


「大丈夫」


いつもの通り病室に顔を出すと、愛人がそう言って手を差し出してきた。


その手に自分の手を重ねると、愛人がゆっくり歩き出した。


「アメリカへは、おば様と?」


「母さんと一柳が、向こうにいる間は一緒にいてくれる。父さんも、アメリカに行くのにはついてきてくれるって」


「そっか」


愛人がアメリカに行ったら、しばらくは会えないことになる。


「どのくらいで、帰ってくるの?」


「分からない。手術して、リハビリして、半年・・・それ以上かも」