「ん?」


「母さんがいたら、キスも出来ないだろ?」


小声でささやかれて、顔がカーッと熱くなる。


「マー君、なんか意地悪だよぉ」


「そう?これが俺」


フッと笑って、愛人の顔が離れた。


それからしばらくは、みんなでいろんなことを話した。


「じゃあね、マー君。また明日来るね」


「ああ」


「おば様も、さようなら」


「また一緒にお昼しましょうね」


「はい」


午後3時になる前、愛人とおば様に手を振って病室を出てきた。


一体何の話をするんだろう。


気にはなったけど、明日話してくれることを信じて家に戻った。