「おば様、こんにちは」


「美結さん。いつもありがとう」


うんんって首を横に振る。


あの誕生日以来、愛人はおば様と普通に話せるようになった。


もちろん、最初はなんだがぎこちなかったけど。


「愛人、調子はどう?」


「ん。大丈夫」


そう愛人が答えると、おば様は嬉しそうに微笑んだ。


「先生が、話しあるって」


「ええ。そのときには、お父さんも一緒に聞くから」


おじ様も、あの日以来、ほんの少しだけ家族と過ごす時間が増えたみたい。


もちろん仕事が忙しいから、おば様みたいに頻繁には病院に来ないけど、でも愛人のことで大事な話があるっていうと、病院に来てくれる。


誠さんも、たまに病院に顔を出すようになった。


会社を継ぐ継がないって話は、まだ保留中みたいだけど。


「マー君、先生の話って何時から?」