「じゃあ、愛人君。あとでご両親と話を聞いてもらうから」


「はい」


いつになく真剣な表情の二人を見てたら、愛人が優しく笑って私の頭をなでた。


「明日、美結にもちゃんと話すから。それまで、何も聞かないでいてくれるか?」


「うん」


きっと私には、まだ聞くのは早い話なんだろう。


婚約者とはいえ、私はまだ未成年。


私より先に、おじ様やおば様に話さないといけないことは、たくさんあるだろうから。


それに愛人が話してくれるって言ってるんだから、今は余計な口をはさまないでおこう。


そう思った私は、返事と一緒に笑顔を返した。


「行こう、美結。外、今日も寒い?」


「うん。でもそんなに風強くないよ」


そんな話をしながら、病院を出て散歩を始めた。


約束通り、15分で病室に戻ってくる。


病室に戻ってくるとすぐに、おば様が顔を出した。