「そっか。でも明るい子だったな」


「そうだよ。マー君と一緒。亜季ちゃん、絶対元気になるんだもん」


「そうだな」


誰もいないエレベーターの中、そっと引き寄せられ、髪にひとつキスを落とされた。


「俺たち、お似合いらしいな」


「うん。お似合いの二人は、ずっと一緒にいなくちゃいけないんだよ?」


私の言葉に、愛人は無言で寂しそうな笑顔を見せた。


「ねえ、マー君」


「ん?」


「私勝手にしゃべってるから、寝てもいいよ」


病室に入り、愛人をベットに寝かせながらそう言うと、なんだそれと笑われてしまった。


「マー君。今日は何の日か知ってる?」


「クリスマスだろ?」


「それだけじゃないよ。私にとって、今日は一番大事な日なの」


「どんな日?」