「愛人さんの病気は、おば様のせいじゃない。それなのにおば様を責めるなんて間違ってる」


そう言った私に、おば様はただ優しく微笑むだけだった。


「食べて、美結さん。チーズケーキおいしいわよ」


「はい」


切なく笑うおば様の顔は、愛人にそっくりだった。


帰りは、おば様が乗って来た車で家まで送ってもらった。


「おば様、今度一緒に愛人さんのお見舞い行きましょうね」


車を降りるとき、そうおば様に声をかける。


「ええ」


こくんと小さくおば様はうなずいた。


家に入って制服を脱いでいると、ママが夕食が出来たって教えてくれた。


「美結。どうかしたの?」


「食欲ないのか?」


いつの間にか、愛し方が分からなくなってた。


おば様が言ってたことが頭から抜けなくて、夕食を食べる手が止まる。