「無意識は怖いね~」


「マー君の意地悪」


怒って愛人から顔をそむけると、ハハっと愛人の笑い声がした。


「そろそろ行こうか?」


ガタっと椅子を引く音がして、愛人が立ち上がった。


「どこか行く?」


「うんん。もういい」


ゴミを捨てて、また手をつないで歩き出す。


「マー君はどっか行きたい?」


「本屋」


即答されて、なんだか可笑しさが込み上げてきた。


「何笑ってんの?」


愛人が怪訝そうな顔をして私を見てくる。


「本屋行きたいって、絶対言うと思ったから」


「そう?」