「あっ、そうだよね。じゃあ、バス乗ろ。10分くらいで大きなショッピングモールに着くよ」


今歩いてる道と反対側の道にあるバス停を指差した。


「ん。わかった」


近くにあった横断歩道を渡ってバス停に行き、バスを待った。


運よく、5分くらいでバスが来た。


「デートって、初めて」


二人掛けの席に座ってポツリと呟いた私に、愛人がびっくりした表情を見せた。


「なんでそんなに驚くのよ」


「別に」


「マー君はしたことあるの?」


「まあ、多少は」


「ふーん」


愛人の昔の彼女ってどんな感じの人だったんだろう。


てか私って、愛人の婚約者であっても彼女じゃない気がする。


「ねっ、マー君」