「決めてない」


「へっ?」


私の方を振り向きもせずにそう言い放った愛人。


「誘ったのはマー君なのに」


誘われたってゆーか、もう私は愛人と出掛けることになってたみたいだけど。


「ごめん」


愛人が止まって、私の方を向いた。


「最後にデート、したかったから」


愛人の口からサラッとそんな言葉が出てきたからかなりびっくりして、思わず最後って言葉をスルーしそうになった。


「最後ってなに?」


「いや、なんでもない」


そう言って愛人は、また歩き出した。


「どこ行きたい?」


「えっ?あっとね、買い物かな」


「それ答えになってないんだけど」