水色に薄らと白い雲が浮かんでる空。


「マー君は、どんな空が好き?」


「俺は、雲ひとつないきれいな青空」


「うん。私も、青空好き」


「行くよ」


空を見上げてしばらく止まっていた私は、愛人の声にハッと顔を前に戻した。


「行くよ、美結」


「あっ・・・」


思わず言葉を失った。


だって愛人が、優しく笑って私に手を差し出してたから。


「早く」


「うん」


おずおずと手を差し出すと、ギュッと握ってくれた。


「どこ行くの?」


私の手を引っ張りながら少し前を歩く愛人に聞いた。