午後の授業中、隣の愛人をちらちら見ても、私の方は全く見ない。


出掛けるってどこに?


それって、デートって思っていいの?


答えてよ~愛人。


今日の授業が全部終わり、帰りの支度をする。


「美結~また明日」


「あっ、バイバイ」


沙奈が私に手を振って、他の友達と教室を出て行った。


「あのっ、マー君?」


ほんとに出掛けるの?って聞くと、行くよってちょっと不機嫌そうな声が返って来た。


「えっ、ちょっと!」


スタスタと教室を出て行く愛人を、急いで追いかけた。


昇降口を出ると、愛人が空を見上げていた。


「きれいな空だね」


「ああ」