えぇーっと叫びたくなる衝動を、なんとか喉元で抑える。


「ちょっ美結。今の何!?」


沙奈がぐっと私に顔を近づけてくる。


「やっ・・・私にもさっぱり」


手と首を振って分からないと表現するも、沙奈は納得できないって顔で愛人が出て行ったドアを睨みつける。


「美結、ちゃんと事後報告してもらうからね」


「・・・はい」


結局ケーキバイキングはなし、私は愛人と出掛けることに・・・なったのかな?


てか、こんなことってあるの?


今まで愛人は、私のこと避けてたんだよ。


それなのに急に、一体どうしたんだろう。


仲良くしてくれる気になったのかな?


だったら嬉しいけど。


でもそれもちょっと違う気がする。


考えても分からなくて、私は愛人の席を見つめながら、大きなため息をついてた。