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英二と二人で学校を出ると僕達は、何時もの通学路を何時も通りに帰路に就いた。


ちょっと変わった事といえば、英二がちょっと無口だった事だろうか。


その英二が僕をちらっと見ると、すぐに明後日の方向に視線を泳がせて呟く様に僕に話す。


「なぁ、保孝…」


僕は話しかけられた事に、一瞬気付かず、慌てて返事を返す。


「え、う、うん、なぁに?」


英二は相変わらず僕と視線を合わせない。


僕は英二の態度が、ちょっと不安だった。


英二は、こういう態度の時、とんでもない事を言い出す事が、多いからだ。