そして世界を演奏旅行で周る…とても壮大な夢だけど、英二が言うと、それが本当になりそうで友人の僕としては、ちょっと羨ましい。


ユーフォニュームはオーケストラに常設されるセクションではない。


だから、この楽器の奏者は高校迄は比較的多いけれど大学に入ると極端に奏者の人口が減ってしまう。


寂しいけれど、それが現実だ。皆、トロンボーンやチューバに持ち替えてしまうのだ。


僕はトランペットの音が聞こえる教室の前まで来ると、そろそろと扉を開いた。


予想通り英二がかなり集中して練習している。


トランペット担当は、僕達の部に3人居る。


彼等は3人で色々意見を出しながら、練習を進めている。