「あらあら~! この風紀委員長さんは本間君しか見えていないのデスね!! そのはしたない脂肪のせいで視界が狭くなっているのデスね!!」


いきなり不知火が閂に喧嘩を売り出した。


そこで初めて閂が不知火の方に目を向けた。


「いたのか貧乳。自らの存在をアピールするものがない貴様には、気付かなくて当然。しかし、僻みとはまったく浅ましいよな……」


喧嘩を真っ向から買う閂に僕はタジタジだ。


確かに閂が素晴らしいモノを二つぶら下げているのに対し、不知火の身体は凹凸に乏しい。


密かに胸コンプレックスを抱く不知火にとって、閂は敵以外の何者でもなかった。


「このアバズレ~~!!!! 貴女なんか胸が大きいだけじゃないですか!! というか、風紀委員長のくせに露出が高過ぎデス!!!!」


「フフフ……。私の身体を隠しておくなど勿体ないではないか。それにほら、刀矢だって……」


いきなり名前を呼ばれてギクリと身を震わせる!


いつの間にか僕は、ところどころ露出している閂のボディを夢中で見ていたのだった!


「ほ~ん~ま~ク~ン!!!!!!」


不知火の可愛い顔が今や鬼に変わっていた……


こ、怖い……


僕は無意識のうちに後ずさる。


「正直な男の子は大好きよ……。私を楽しませてくれる子はもっと好き」


口の端を限界まで引きつらせた閂は背中から何かを取り出した。


鞭……でした……