カンカンカン…
あたしがいる部屋の中に
高台の階段を登る音が響き
あたしは反射的に身を縮めた
そして階段の方を凝視していると
長身の黒髪の男が登ってくるのが見えた
「おい、卯月…
また授業サボってここにいたのか」
その人は少し息を切らせて
あたしをまっすぐ見る
「お…お兄ちゃん…」
思わず声が詰まるあたし
そこにいたのは
天内 雄士(アマナイ ユウシ)
あたしの実のお兄ちゃん
名字が違うのは
10年前に両親が離婚したから
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