校舎内に入った瞬間
タイミング良くチャイムが鳴った
あたしはもう1度服装を正し
教室へと向かった
そのとき階段から降りてきた
5~6人の男女グループの中にいる
金髪と黒のツートーンの男が目に入った
トクンと胸が高鳴る
「燐太…」
あたしは思わず呟いた
そう。
ロスで出会った燐太は
なんと同じ高校の生徒だった
けれど燐太にはもう
あの太陽みたいな笑顔はなくなっていた
あたしとすれ違う瞬間
少し派手めな女の人が
燐太の腕に自身の腕を絡めるのが目に映った
あたしは思わず目をそむけ
しばらくうつむいたまま
教室を目指した
そしてぼんやり
燐太のことを想った
高校で初めて会った燐太は
本当に別人のように無表情で
冷たい目をしていた
あんなに暖かい気持ちにさせてくれる燐太は
もうそこにはいなかった