そうこうしている内に

家の前まで来ていた



珍しくお母さんが

帰ってきていた




お母さんは

あたしと燐太が一緒にいたことに

すごく驚いていた



そしてやっぱり

あたしに伝えることを忘れていた



「ごめんね、卯月

さっき言ってないことに気付いて…」




お母さんは少し天然だったりする




「名前、卯月っつうんだ!!


3ヶ月よろしくな!!」




そう言って
燐太はまたあの笑顔を見せた




「…う、うん」




あたしはそれしか言えなかった

顔を上げることができなかった



燐太の笑顔を見ていると

胸がチクチクする感じがしたから