「美海……っーー?!」


その時、布団が少し動いた。


「美海?!」


意識が戻ったのか?!
オレは慌てて布団をめくった。


すると……




そこには小さな女の子が眠っていた。


「…里海……?」


間違いない…里海だ…。
オレの大切な娘…。


「里海ちゃんは幸いにも無傷だったんです…。

美海様が…事故の瞬間、里海ちゃんを抱え込むようにして守っていました…」


美海は…里海を命懸けで守ったのか…。


菅谷先生は里海に目を向けながら続ける。


「里海ちゃんは…こうやって美海様の側を離れようとしません…。

私たちが無理に引き離そうとすると、大泣きして…

それでも一歩も動かないんですよ…」


確かに……


里海は美海の服をギュッと握りしめたまま眠っていた。


ぜったいにママの側を離れない……


そう…訴えているようだった。