「リーグさん、こっち。」
アイワイさんは手招きした。
「あ、はい。」
別に悪い事をしているわけではないのに、リーグは妙にこそこそしていた。
「歩いていくのなんて、絶対に無理だからこれで行きましょう。」
連れてこられた場所は、薄暗い倉庫のような場所だ。彼女が入るとぼんやりと明かりが点きはじめた。光に照らされた大きな車輪のお化けみたいなものが、その倉庫の中にあった。
他にも見たい事のないものがいくつも並んでいる。しかし、その中でもこの車輪のお化けの存在感は群を抜いていた。
「これって・・・。」
「これ?これは父が作ったの。」
「でしょうね。で、これの名前は?」
車輪のお化けとは、彼女には言いにくい。リーグはまず名前を聞いた。
「名前・・・。名前は・・・なんだっけ?父が何か言っていたのは覚えているんだけど。父のつける名前は覚えづらくて。とりあえず、馬車とでも言っておいて下さい。」
「馬車ですか・・・。となると、馬が必要なわけですよね。馬らしき動物はいないけど、外にいるんですか?」
「いいえ、いません。馬なんて家では飼ってません。」
「でも、だったらこの馬車は動かないですよね?」
「動かないなら、ここにリーグさんを連れてきたりしませんよ。」
リーグは訳がわからない。彼女の言っている事は意味不明だ。
「ど、どうやって動かすんですか?」
「説明するより実際に乗った方が早いわ。とにかく、乗って。」
手を取られ、半ば強引に馬車に乗せられた。
「ここに座って。」
アイワイは、リーグを自分の左隣の席に座らせた。
「う、うん。」
その容姿からは想像も出来ないほど活発な彼女に、リーグはただ呆気にとられるしかなかった。
「じゃあ、行きますね。bic。」
馬車全体から白い糸が生えだした。
「な、なんだ。これ・・・。」
「いいから、黙ってて。これから先は集中しなきゃいけないんだから。ねっ。」
「う、うん。」
アイワイさんは手招きした。
「あ、はい。」
別に悪い事をしているわけではないのに、リーグは妙にこそこそしていた。
「歩いていくのなんて、絶対に無理だからこれで行きましょう。」
連れてこられた場所は、薄暗い倉庫のような場所だ。彼女が入るとぼんやりと明かりが点きはじめた。光に照らされた大きな車輪のお化けみたいなものが、その倉庫の中にあった。
他にも見たい事のないものがいくつも並んでいる。しかし、その中でもこの車輪のお化けの存在感は群を抜いていた。
「これって・・・。」
「これ?これは父が作ったの。」
「でしょうね。で、これの名前は?」
車輪のお化けとは、彼女には言いにくい。リーグはまず名前を聞いた。
「名前・・・。名前は・・・なんだっけ?父が何か言っていたのは覚えているんだけど。父のつける名前は覚えづらくて。とりあえず、馬車とでも言っておいて下さい。」
「馬車ですか・・・。となると、馬が必要なわけですよね。馬らしき動物はいないけど、外にいるんですか?」
「いいえ、いません。馬なんて家では飼ってません。」
「でも、だったらこの馬車は動かないですよね?」
「動かないなら、ここにリーグさんを連れてきたりしませんよ。」
リーグは訳がわからない。彼女の言っている事は意味不明だ。
「ど、どうやって動かすんですか?」
「説明するより実際に乗った方が早いわ。とにかく、乗って。」
手を取られ、半ば強引に馬車に乗せられた。
「ここに座って。」
アイワイは、リーグを自分の左隣の席に座らせた。
「う、うん。」
その容姿からは想像も出来ないほど活発な彼女に、リーグはただ呆気にとられるしかなかった。
「じゃあ、行きますね。bic。」
馬車全体から白い糸が生えだした。
「な、なんだ。これ・・・。」
「いいから、黙ってて。これから先は集中しなきゃいけないんだから。ねっ。」
「う、うん。」