「違う、違う。ここはもっと力を抜いてやるんじゃ。」
エーマリリスさんは、僕に熱心に言術の何たるかを指導してくれる。その教え方はどことなくじいちゃんに似ていて、僕は昔に戻ったようでうれしかった。
「こうですか?」
「違う。こうじゃ。」
何度も、同じような事を繰り返す。それでも、一人で言術の勉強をするより遙かにいい。こんな勉強を一人でしてたら、いつ終わるかわかったもんじゃない。