一度出来ると、コツみたいなものがわかってきた。イバーエは、lotだけは使えるようになっていった。ただ、結果はいつも度を越えていた。
石を拾い上げるつもりが粉々に砕き、川の流れをせき止めるだけのつもりが、激流を起こし、最後には逆流させてしまう。そんな始末だ。
「じいちゃん・・・また、ダメだよ。」
言術が使えても、目的を果たせないなら、使えないのと同じだ。
落胆した。
「いや、ダメではない。想いが強すぎるんだろう。想いをコントロールする。それを身につける事だ。そして、今日までのお前の様子を見てきて、やはり伝えなければいけない事がある。」
じいちゃんが、めずらしく真面目な顔をした。
「言術には、段階があると昔説明したが覚えているか?」
「ん?そんなの話たっけ?」
じいちゃんは、手で顔を覆った。
「あぁ、やっぱり・・・。」
自分の孫ながら、記憶力の悪さには閉口するしかなかった。
「いいか?今度は忘れるんじゃないぞ。言術には段階がある。」
「うん、それで?」
「お前が、さっきまで唱えていたのは第一言。基本となる言術だ。」
「じゃ、第二言とかもあるの?」
「あぁ、第三言まである。」
「ふぅん。」
聞いてみたものの、あまり興味がなかった。山の中で練習していても、夕食前には村からいい匂いが漂ってくる。それに心奪われていた。
「ちゃんと話を聞かないか。」
じいちゃんは、軽くムッとしている。また、晩ご飯なしとか言われてもかなわない。ここは素直に話を聞こうと思った。
「・・・はい。」
「第一言と第二言の違い、それはわかるか?」
これも聞いたはずだけど、まるで覚えていない。
「・・・ううん。」
「お前は、少しとは言っても言術が使えるようになったんだ。もう、今までのように忘れたではすまないぞ。いいな?」
まず、じいちゃんは僕に注意した。それから話を続けた。
「第一言はlot。これはわかるな?」
「・・・はい。」
「第二言はlot、lotだ。要は繰り返す数で、第何言かわかると言う事だ。」
「じゃ、第三言はlot、lot、lot?」
僕の言葉を聞いて、じいちゃんはたじろいだ。
石を拾い上げるつもりが粉々に砕き、川の流れをせき止めるだけのつもりが、激流を起こし、最後には逆流させてしまう。そんな始末だ。
「じいちゃん・・・また、ダメだよ。」
言術が使えても、目的を果たせないなら、使えないのと同じだ。
落胆した。
「いや、ダメではない。想いが強すぎるんだろう。想いをコントロールする。それを身につける事だ。そして、今日までのお前の様子を見てきて、やはり伝えなければいけない事がある。」
じいちゃんが、めずらしく真面目な顔をした。
「言術には、段階があると昔説明したが覚えているか?」
「ん?そんなの話たっけ?」
じいちゃんは、手で顔を覆った。
「あぁ、やっぱり・・・。」
自分の孫ながら、記憶力の悪さには閉口するしかなかった。
「いいか?今度は忘れるんじゃないぞ。言術には段階がある。」
「うん、それで?」
「お前が、さっきまで唱えていたのは第一言。基本となる言術だ。」
「じゃ、第二言とかもあるの?」
「あぁ、第三言まである。」
「ふぅん。」
聞いてみたものの、あまり興味がなかった。山の中で練習していても、夕食前には村からいい匂いが漂ってくる。それに心奪われていた。
「ちゃんと話を聞かないか。」
じいちゃんは、軽くムッとしている。また、晩ご飯なしとか言われてもかなわない。ここは素直に話を聞こうと思った。
「・・・はい。」
「第一言と第二言の違い、それはわかるか?」
これも聞いたはずだけど、まるで覚えていない。
「・・・ううん。」
「お前は、少しとは言っても言術が使えるようになったんだ。もう、今までのように忘れたではすまないぞ。いいな?」
まず、じいちゃんは僕に注意した。それから話を続けた。
「第一言はlot。これはわかるな?」
「・・・はい。」
「第二言はlot、lotだ。要は繰り返す数で、第何言かわかると言う事だ。」
「じゃ、第三言はlot、lot、lot?」
僕の言葉を聞いて、じいちゃんはたじろいだ。