いやな臭いがした。そして、ついこの間も、このいやな臭いを嗅いでいた。
リーグの父は胸が締め付けられた。

助けを求めようと外に出なければ、こんな思いをする事はなかっただろう。
涙が勝手にあふれ出す。その場に膝をつき、泣き崩れた。
「エリシア・・・。」

じいちゃんが死んだ時、じいちゃんの肉が焼け焦げた臭いがした。気分が悪くなる臭い。
それがエリシアからしていた。と言うか、それがエリシアだとわかる人はこの世にはいないだろう。それくらいに焼け焦げ、いやな臭いをいつまでも出し続けていた。
平和と言う言葉がよく似合っていたはずの僕たちの村は、いつの間にか平和と言う言葉が似合わなくなっていた。