ヒドい…



ヒドすぎる…



目を伏せながら頬を膨らませるあたしを横目に眉間に皺を寄せる先生。



「んだよ…」



「……」



「文句があんなら言えよ。聞いてやんぞ?でも、言い訳は聞かねぇ。」



「……」



文句…



あるよ。



でも…



今のあたしが何言ってもただの言い訳…



結局はコーヒーと灰皿頼まれてたのに持って行かなかったあたしが悪いんだし…



そんな風に言われたら何も言えないよ…



「あっ…先生。灰皿…と、あとコーヒー…ですよね?」



「あぁ…」



シュンとするあたしの横に立ち、



かなり遠慮がちに先生に訊ねかける由奈。



「杏奈…灰皿だってっ!!早くっ!!」



「えっ?」



そしてボソッと耳打ちしながらあたしの腕を軽く小突いてきた…



その時、



カランカラン…



「あっ!!お客さんだっ!!いらっしゃいませっ♪」



………



……







突然やって来た、



そのお客サンの登場によって、



あたしの低めのテンションはさらに低く…



そう。



地獄の底へと落ちてしまった…。