いつもはもっと忙しいはずなのに…



カランカラン…♪



閑散とする店内に突然鳴り響いたドアベルの音。



「あっ、お客さんだっ!!」



「あっ!!」



カウンターの前でお喋りしてたのもあって、



焦ったように姿勢を正した、あたしと由奈の目の前には…



「いらっしゃいま…って…」



「「あっ!!」」



「あ?」



あたしの大好きな保健室の先生…



楢崎 恵先生がいて…



「先…生…?」



「んだよ…」



こんなトコで会えるなんて…



偶然とはいえ、



先生のコト考えてる時に…



来てくれないかなぁ~って思ってた時にココに来てくれるなんて…



やっぱり、



あたしと先生は運命の赤い糸で繋がってるんだよっ!!



神様…



ありがとぅ~!!



あたしはこれでもかって程の満面の笑みを浮かべながら胸の前で指を組むと、



空…いや、天井を見上げた。



がっ、



先生はやっぱり先生で…



「ってか、あの奥の席…ソファー席空いてんのか?」



「へ?」



ソファー席…?



幸せイッパイのあたしの無視し、



「グラスが無いって空いてんだな。」



「あっ…うっ…うん。」



ポカンとするあたしの頭をポンポンと叩きながら横をスルリとすり抜け、



ドガッとソファーに腰を下ろすと、



「オイっ!!」



「えっ?」



「コーヒー…と、灰皿。ちゃっちゃと持って来いっ!!」



足を組みながらあたしをビシッと指差してきた。