「あ~無理っぽいな。」



するとあたしの返事なんて聞くことなく、



っていっても、返事なんて出来る状態じゃないんだけど…



勝手に納得した先生は、



「はぁ…」



地面に片膝をつき、



あたしの膝の裏に腕を入れると、



「絶っ対、暴れんなよ。落ちても知らねぇかんな。」



「えっ…キャッ!!」




あたしの体を楽々と抱き上げてきた。



「せっ…せせ…先生っ!?」



「耳元でうっせぇ。黙ってろ。」



「うっ…うん。」



そしてコクコク頷くあたしを見つめながらフッと小さく笑みを浮かべ、



あたしをお姫様抱っこしたままスタスタ歩き出した先生は、



「河本先生。」



「はっ…はい?」



「詳しいことは遠藤に訊いてください。」



「は?」



「失礼しました。」



「……」



「先生ぇ?もう帰っちゃうの?」



「ってか、杏奈ばっかずる~いっ!!」



「いいなぁ…」



キョトンとする河本先生にペコリと頭を下げ、



他の生徒達のボヤキを完全にスルーし…



「行くぞ。」



校舎へ向かって再び歩き出した。