ソファーから立ち上がっり、



スタスタとあたしの後ろにやってきた先生は、



「坂下。こっち向け。」



突然、あたしの肩をガシッと掴んできた。



でも…



「ヤダ…」



「は?」



無理だよ…



無理に決まってる。



こんな顔、先生に向けられるハズなくて…



「俺を見ろ。」



「ヤダ…」



こんな顔…



こんな瞳で…



先生を見ることなんて出来るハズなくて…



「じゃぁ…見る。」



「見ないでっ!!」



「は?」



顔を覗き込もうとしてくる先生の手を振り払い、



「ヤダっ!!」



ゴンッ!!



「ってぇ~!!テメェ…」



持っていたシルバートレイで頭を叩いたあたしは、



見ないで…



見ない…で…



ヤダ…



勢いよくスタッフルームへと飛び込んだ。



「っぅ…」



そして溢れ出した涙を拭うことなく後ろ手に鍵を閉めると…



「杏奈っ!!」



ドアを叩く由奈を無視し、



崩れ落ちるようにソファーへと倒れ込んだ…



………



……