先生もあの女の人もお客サンだから、



ちゃんと接客しなきゃいけないのに…



「ってか、オイっ!!坂下っ!!ボーっとつっ立ってんじゃねぇよっ!!さっさと灰皿持ってこいっ!!」



「……」



声が…



出ない。



「恵クンっ!!女の子には優しくしなきゃダメでしょっ!!」



「は?俺ほど優しいオトコはいねぇぞ?ベッドん中だけだけど。」



「あっそ…。ってか、恵クンほんとはめちゃめちゃ優しいのに…ねぇ。ハジメもヤマトもサクラも…いつも言ってんだよ?普段からその優しさを惜しみなく出してればもっとモテんのに…もったいない…って。まぁ、昔っから何故かアンタが一番モテてたし…これ以上モテても仕方ないんだろうけど…ねぇ、先生?」



「ほっとけ。ってか、お前ら…俺を酒の肴に勝手に盛り上がってんじゃねぇよ。」



わかってる…



そんなの…



わかってる…よ。



先生、そろそろキレちゃいそうだし…



すぐにでも持って行かなきゃいけないことくらい…



わかってるんだよ。



でも…



「あぁ~こわっ!!」



「うっせぇっ!!ってか、坂下っ!!灰皿はまだか?」



「……」



………



足が…



動かない…。