とにかく淳一のいる学校から離れたくて、小走りで駅へ向かった。

悔しくて、悲しくて、苦しい。

でも少しだけ嬉しく思ってしまったあさましい自分を殴り飛ばしたい。

目から涙が溢れてしまいそうなのを、必死に我慢する。

もう絶対に同情なんかさせるもんか。

絶対に成績なんか落とすもんか。

乗り越えよう、この境遇を。

乗り越えて、「カッコええ」女になろう。

私は悲劇のヒロインぶったりはしない。

ちゃんと演じてみせる。

私はそう決意して、少し強めにICカードをタッチして改札に入った。