「どうしよっか」

風で暴れる髪を手で押さえ、そう口に出した。

風が強くて、耳元でゴーゴー鳴っている。

私の声は小さくて、届いていなかったかもしれない。

選択肢は二つ。

本当の恋人同士へとステップアップするか、友達同士に戻るか。

中途半端な関係に甘んじているのは、そもそも私が淳一への未練を捨てきれなかったからだ。

卒業して生徒ではなくなったら、堂々と淳一を追いかけることができる。

つまりこの二択は、淳一を選ぶか雄二を選ぶかということでもあるのだ。

「私たちがちゃんと付き合ったら、どうなるかな」

「今と変わらないと思うよ」

「じゃあ、別れたらどうなるかな」

「寂しくなるんじゃないかな」