淳一の自宅の最寄り駅を聞き、スマートフォンでその周辺の病院を探す。
駅のすぐ近くに病院を見つけ、駆け込む。
もう受け付け時間はやや過ぎていて、残った人の診察が終わったら昼休みであろう時間だった。
「まだ間に合いますか?」
彼を受け入れてほしい。
午後の診察は二時間も先になってしまう。
「あらあら、お兄さん辛そう。早くよくなるように、先生に見てもらいましょうね。保険証は持ってる?」
受付の中年女性は、快く彼を受け付けてくれた。
優しい病院でよかった。
「じゅん、保険証は?」
淳一はもたもたとスーツのポケットを探り、財布ごとポンと私に手渡した。
そのままフラフラと待合室へと歩き、倒れ込むように座る。
私は彼の財布を開き、カードホルダーから保険証を見つけ、女性へ渡す。
「問診票の記入をお願いね。これで体温を測って、問診票のこの欄に記入して、こちらにお持ちください」
「わかりました」
体温計と問診表を受け取り、淳一の横の席へ。
財布と体温計を彼に手渡し、彼が体温を測っている間に私が問診表を記入する。