なぜこんなにも二人が張り合ってるのかわかんないけど、追いかけられたら逃げる!ってことで、
おれは未有を抱えると二人から逃げるためひたすら走り続けた。


子どもを抱えた高校生と、それを追ういい大人と高校生。

端から見たらどんな光景なんだろ?


……なんて思っている間にもどんどん距離は縮まって……。


「捕まえたっ!」

「はぁっ、はぁ…っ」


2人に制服の裾を引っ張られたときにはすでに息が上がってしまっていた。


「ったく~っ、お前らなんなんだよ!?
いい加減しろよな!?」

「だって、流架くんは僕の大事な恋人でしょう?」

「……っ」


……そうだけどっ、そんなこと人前でなんて言いたくないっつーの!!

照れる風も、悪びれる風もなくサラッと言う凛に軽く
ため息が出てしまう。