「お母様方、そして綾瀬先生、五十嵐くん。よく聞いてください。
確かに、保育者とその保護者が付き合っているなんて事態はあまり褒められる事ではありません。
でも、私は経営者として誰にも辞めてほしくないと思っています。
綾瀬先生にも、五十嵐君にも、お母様方にも。
なので、片岡先生?」
「……な、なんですかな?」
園長先生は話の途中でおっさんに向き直り、真剣な顔で話を続けた。
「このお話は、ここにいるわたくしたちだけしか知りえないこと。
ですので、お願いです。
どうかこの事は見なかったこと、聞かなかったことにしていただけないでしょうか?」
「え、園長!!なにをおっしゃいますか!!
経営者であるあなたこそ、この事態を重く受け止め、処分を下すべきじゃないかと……!」
「片岡先生、いいじゃないですか。
保育者も一人の人間。恋もしたくなるでしょう。
それがたまたま園児の兄であったというだけのこと。
不倫などという関係ではないのですから、大目に見て差し上げてください」
確かに、保育者とその保護者が付き合っているなんて事態はあまり褒められる事ではありません。
でも、私は経営者として誰にも辞めてほしくないと思っています。
綾瀬先生にも、五十嵐君にも、お母様方にも。
なので、片岡先生?」
「……な、なんですかな?」
園長先生は話の途中でおっさんに向き直り、真剣な顔で話を続けた。
「このお話は、ここにいるわたくしたちだけしか知りえないこと。
ですので、お願いです。
どうかこの事は見なかったこと、聞かなかったことにしていただけないでしょうか?」
「え、園長!!なにをおっしゃいますか!!
経営者であるあなたこそ、この事態を重く受け止め、処分を下すべきじゃないかと……!」
「片岡先生、いいじゃないですか。
保育者も一人の人間。恋もしたくなるでしょう。
それがたまたま園児の兄であったというだけのこと。
不倫などという関係ではないのですから、大目に見て差し上げてください」