「あたしのこと…さがしてた?」 「もしかしたら帰ってくるかもしれんって家で待っとる」 「ばーちゃんじゃなくて」 リキは小さな声で「探しまくったわ」と呟いた。 それがなぜだかわからないけど嬉しく感じて、少し頬が緩む。 「笑うな、ほんまにシバくで」と言ったリキは少し照れたようにも見えた。 リキは昨日あんなに早足に前を歩いて行っていたのに、今日は不思議とゆっくりで隣を並んで歩く。