「そう睨むな。
まぁ、その表情も可愛らしいがな。」

「―…!」


リリアが皇太子をキッと睨む様子を、ウォルフはただジッと見つめる


「言い遅れたが、俺様の名前はグランデッシュ・ザナア・ロイ。
よーく覚えとけ。」

「…ロイ。」


リリアが呟くと、今度はロイが睨む


「ロイ様、だ。」

そう言って皮肉げに笑った

「さて、城に行くか。
早く父上達に報告しなければ。
おい、亜人。
お前もだぞ。」


『……知ってる。』


こうしてリリアとウォルフは城に迎えられる事になったのだ


嫁と、付き人として