老婦人はひとしきり愚痴を吐き出して、やっと落ち着きを取り戻した。


『あ、兄ちゃんごめんな。つい愚痴ってもうた』


老婦人はややばつ悪るそうに笑った。


『そんでもモノは考えようや。こんなしょうもない街とオサラバできるんやからね。せいせいするわ。ほなね、兄ちゃん。あんたはまだ若いんやから、どないでもなるわ。元気でな。』