老婦人の口調は優しく、それゆえに自身の苦労をも垣間見えさせた。


『そやけど嬉しかったで?こんなオバチャン庇てくれるやなんて…人生、悪いことばっかりちゃうんやねえ』


彼は、老婦人の目に光るものを見とめた。


『最後にええ思い出がでけた…』